OUR OWN NOSTALGIA / IMMIGRATE US
★★★★★★☆☆☆☆
01. Three Alchemists
02. Schizo Tears
03. Muteki (Feat. Kelvin Zero)
04. Occupied
05. A Poet And Mc
06. Dublin's Avenue
07. Time To Flow And A Piano
08. Inter-Bluenote
09. Freestyle (Feat. Ksk & Fake)
10. Secret Passage
11. Apocalyptic Warmth
12. Try To Fly
13. The World After I Die (Feat. Ancient Mith)
14. Emerald Forest
15. A Trip To The Universe
16. Blood Vessel
17. Outro
8th WonderのMC兼トラックメーカーを担っているMasashiの英語詞ラップの別人格Nejel Mongrel。EL-TOPOのビートメーカーAki。米国産ヒップホップグループDreadnotsのメンバーAuthentic。彼ら3人からなる異色のユニットがこのIMMIGRATE USだ。ただユニットといっても3人全員でトラックを手掛けた楽曲はわずか2曲のみで、他は3人が独自の世界観をウリに交代交代でトラックを手掛けている。
楽曲の多くがInstモノなので、物足りなさが残るけど、後半戦に行くに連れて上質でチルなトラック郡が増えるので、飽きるコトなく最後までゆったりと聞ける。と、いうかMICを握るのはメンバーの中ではNejel Mongrelただ一人。期待の客演組も8th WonderのKSKとFake。それと名前も聞いたコトが無い海外組のKelvin Zero,Ancient Mithの2人だけ。正直これだけではインパクト的に弱いと思う。更に厳しいコトをいうとNejel Mongrel一人で楽曲を引っ張っていく力も無いので、今回のようなInstモノの多い作品になっちゃったのかな。まぁ、ここはラップはオマケと考えて、上質なトラック郡に耳を傾けるのが、賢いリスナーだと思う。
別人格Nejel MongrelはMasashi時のトラックで特徴だったエレクトニカな変則高速beatは陰を潜ませ、どちらかというとしっとりしたダークな楽曲が多くなっている。8th Wonder時代の高速beatが聞きたかった自分にとっては結局のところ期待ハズレに終わってしまったが、それでもじっくりと聞くとこれもこれで悪く無い。
個人的に一番気に入ったのがAkiのトラック。"Time To Flow And A Pianoのような切なく透明感のあるトラックはInstにぴったり。全体的に前がかりなドラム音が上手くトラックに華を添えている。ただ、残念なコトに"Schizo Tears"や"Muteki"のようにMCが絡んだ曲だと、なぜか機械的で無機質なトラックに成り下がっていた。
Authenticは外国人ではありがちな和を強調しているトラックが目立つ。ただダークな楽曲からチルな楽曲まで、この3人の中では一番幅広い楽曲を作ってるように思えた。是非とも他の楽曲も聞いてみたい。
っと、まぁ1人1人のトラックに感想を述べたが、注目の三人の合作"Three Alchemists"と"Freestyle"は文句無しの出来。Masashi(Nejel Mongrelでは無い)お得意の変則的高速beatにAkiの持ち味である透明感。Authenticのダークな感じが上手い感じに絡みあった素晴らしい出来。ここまで様々なモノを表現できるのは彼等ならではないだろうか。 そう3人のトラックメーカーが手掛けた"Freestyle"が今回一番のハイライト。Nejel Mongrelの英語詩ラップをハズレと思ってる自分にとってはMasashi名義に戻り客演に8th WonderのメンバーKSK,Fakeを招いたこの曲こそ一番望んでいた形だった。そしてアルバムで唯一の日本語ラップだからか?かなりの存在感を誇っている。
シリアスに、滝の流れの如く変わり変わりするトラック。それに抜群の適応を見せる詩人達。最高だ。前にこのスタイルを「自分の中で自分の物語が出来ていて、それを曲にぶつけてる感じ」と表現したけど、この曲は正しくその通り。魂がこもったフロウには胸を熱くさせる何かを持っている。この曲を聞くと8th Wonderとしての新しい音源も期待せずにはいられない。
ただ、曲毎に見ていくと完成度が高くて楽しめるけど、いかんせん曲の流れが悪い。全体を通しての統一感が感じられないのがちょっとマイナスポイント。3人で別々に作る利点が「幅広い音楽が作れる」というなら間違いなく弱点はそれだと思う。余りにも流れが悪いので曲毎に違和感を感じてしまうのだ。曲単位では文句の付け様が無いだけに、それだけが残念。
⇒ カルーア (05/18)
⇒ tatan (05/15)
⇒ カルーア (04/01)
⇒ (03/30)
⇒ カルーア (03/05)
⇒ saba (03/01)
⇒ カルーア (02/03)
⇒ mus69 (01/29)
⇒ カルーア (11/25)
⇒ イルミナミ (11/25)