新宿STREET LIFE / MSC
★★★★★★☆☆☆☆
01. INTRO
02. 音信不通
03. 路上の灯 feat.Juswanna
04. 欲
05. 六丁目団地(MSW MIX)
06. この街を愛すと同時に憎んでる feat.SHINGO☆NISHINARI
07. Time is money feat.CHIEF ROKKA
08. 必要悪
09. Fuck野郎充満
10. 心にゆとりとさわやかマナー
11. White River
12. Highreturn Plan
13. Nice街
14. 矛盾
15. 路地裏HOMIES
16. Subway
17. 決断 feat.秋田犬どぶろく
日本語ラップシーンに爆弾(Matador,宿ノ斜塔)を落としてから早3年。KANのソロや様々な客演を経てMSCが再びシーンに舞い戻ってきた。ネクストレベルへ進む為か?仲間内の悪ノリでやってきた今までとは、うって変わりLibraコネクションや外部のトラックメーカーやMCを客演に招き一方通行的だったスタイルから脱却しMSCの新たな側面を見せるコトに。特に国内最高峰のトラックメーカー兼エンジニアのI-DeAとLibra入りを果たした和製ゲットーことシンゴ☆西成の参加は嬉しい。
前作に比べ更に音質は向上しトラックは鮮鋭され深みのある楽曲郡が並ぶ。一部ではその多方面性を批判されてはいるが自分はそれに対して待ったをかけたい。なぜなら今までMSCが顕著に作品に投影してたのは新宿の所謂「負の側面」であってそれだけだ。当然新宿という町はその「負の側面」だけで成り立っている訳では無く、歌舞伎町の華やかさや高田の馬場ら辺の昭和の香りなども含めて『新宿』という町は成り立っている。今作のMSCはそんな一言では言い表わせない様々な顔を持っている新宿の町全体を捉えた作品だと思う。
更にHOOKの単調さを批判するリスナーもいるが、これは彼等なりに生み出したループミュージックの形。HOOKを単調にし繰り返すコトで単純なループミュージックを生み出し作品へのトリップ性を高めている。
メインのMSC名義の曲は、どれもハズレが無く安定して聞ける。その中でも新たなMSCの方向性を存分に示してるのが"決断"だ。艶やかでどこかD-ST周辺に似た雰囲気のトラックが妙にMSCに合っているこの曲はHOOKの大合唱や秋田犬どぶろくの魅力を存分に引き出している。今までのアルバムでお馴染みだったシリアスで疾走感に溢れたラストナンバーとは一線を画すが最高の一曲。
O2,PRIMAL,GOからなるSIDERIDE名義の曲や太華のHUMAN BEAT BOXの上で自由奔放にフリースタイルをしてる少佐が印象的な"White River"友達への追悼をO2の独特なリリックセンスで名曲へと引き上げた"六丁目団地(MSW MIX)"など今までKAN頼りだったMSCとは思えない程他のMCがキャラ立ちをしている。更にLibra勢のJuswanna,シンゴ☆西成(エゲツな!)も十分に実力を披露していて満足の出来。
全体的にトラックが派手になったコトも関係してか、今までMSCに感じられた社会に対する批判や飢えが影を潜め、今回は警察や金といった妙に生々しい部分への批判が主になっている。しかしこれだけは失敗だった。リリックがより生々しくなった反面萎えてしまうのだ。いやオマエ等は十分幸せじゃん?って。好き勝手やって金貰ってるのにそれでもまだ「お金が欲しい」「警察はウザい」ってその考えはどうなの?って。MSCに求めてるのは悪(あく)であって悪(ワル)では無いと思う。
アクの強い曲が多い為か、なぜか通して聞く気になれないが(NITROの2ndに近い)一曲単位で聞いていけば意外と耳に入る。もし聞いて、これはダメだ。と感じたリスナーは半年程距離を置いてからまた聞いてもらいたい。固定概念を捨て純粋に耳を傾けた時、一つのエンターテイメントになってる本作をきっと気に入るに違いない。
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